【回想録13】
  心が安らぐ展示館に


   私は、戦争や貧困、犯罪など非人間的なこの現代の病を、仏の心で救いたいと考えてきた。おびただしい北海道の風景のほかに、もう一つのライフワークとして、仏画や彫刻の製作もしている。そんな自分の世界を知ってもらうために、恵庭市内に仏像彫刻展示館(※1)を建てた。







  展示館に、現代人に心の安らぎを感じてもらえるように花園や彫刻の森を作る構想も考える。こころの安らぎを感じるのに、美しい花と、そこを優雅に舞い飛ぶチョウの姿はうってつけだと思ってきた。そんな考えから、このころからチョウの標本をずいぶん集め大切にしている。


中略



  私は仏教の源流をインド、ネパールに訪ねてみたい。仏像千数百点、生命誕生から恐竜の標本まで珍しい化石四百点、ネパールの山岳部族の仮面二千点、宝石、功績の原石三百点―、私はいろいろなものを集めてきた。画家としてそこから何か超自然的なインスピレーションを感じようとしてもおかしくはなかろう。


  私たちはもっと謙虚にあらゆる自然界の資源を大切に敬う必要がある。五万年前、米国アリゾナに落下した隕石(いんせき)を持っている。重量およそ三十キロ。この隕石はおおよそ四十六億年前のものと推測され、太陽系創世記の記憶を、微力ながら発散させているという。


 人の心を、時空のはるか彼方、宇宙創造のロマンにまで誘う(いざなう)この物体から、何か素晴らしい叡智を得ることが出来るのではないかと、毎日眺めているのだが。


  書家の町春草さんが迫力ある文字で「天地創造」と書いてくれた。町さんにはずいぶんお世話になった。


(※1)・・・のちの本間コレクション








 
  土地の造成工事から始まった仏像展示館(本間コレクション)の建設。左の写真は松を植えたり大きな岩を置いたりして庭園を作っている様子。上は閉館後の様子です。敷地内には著名人の句碑や記念碑、大きな涅槃像も設置されましたが、涅槃像につきましては最初に仏像展示館を計画し土地を購入した恵庭市牧場での構想であり、様々な事情がありますのでご紹介は差し控えさせていただきます。(管理人:真藤)
 

   




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